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労災ブログ

請求可能な損害について

2020年4月9日 愛知総合法律事務所 春日井事務所 弁護士 深尾至

労災が起こり,使用者に安全配慮義務違反や不法行為責任があると認められる場合に,労働者が使用者へ請求する余地がある損害としては,以下のものが挙げられます。

1 積極損害

  治療費については,労災保険の補償の対象とされていますが,補償の対象とされていない入院雑費,付添看護料,通院交通費,装具代,家屋改造費などについては,使用者へ請求する余地があります。

2 休業損害

  労災保険の補償の対象とされていない収入部分については,使用者へ請求する余地があります。

3 逸失利益

  例えば,労災により後遺障害が残存した場合に,それがなければ得られたであろう収入である逸失利益について,使用者へ請求する余地があります。

4 慰謝料

  労災保険においては,精神的損害について補償の対象とされていないため,入通院等による慰謝料を使用者へ請求する余地があります。

一般論としては,以上のとおりであるものの,「余地がある 」 と記載したとおり,一様ではありません。

例えば,「3 逸失利益」に関して,後遺障害が必ずしも将来にわたる収入の減少(労働能力の喪失)に結びつかない内容のもの(歯牙の欠損や外貌醜状が典型です。)の場合には,使用者側から,この点を捉えて損害の発生を否定する反論がされることもあり得ます。

そのため,それぞれの損害費目について,最新の議論状況を踏まえ,的確な主張立証を行う必要があります。

これは労災に特有のことではなく,例えば,交通事故に基づく損害賠償においても同様の議論が当てはまります。

当事務所は,労災のみならず,交通事故に基づく損害賠償についても極めて多数の取扱経験を有しており,その経験を活かした活動が可能な点が強みであると自負しております。

コロナウィルスと労災保険

2020年3月30日 社会保険労務士 原田聡

世界中で猛威を振るっている新型コロナウィルスですが、感染経路として、飛沫感染や接触感染が考えられています。新型コロナウィルスは、指定感染症・検疫感染症に指定されていますので、新型コロナウィルス感染者の治療費は公費負担となります。

新型コロナウィルスの感染が、業務又は通勤に起因して発症したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。具体的には、医療に従事していて感染した人をはじめ、通勤途中に感染してしまった人も対象となりますが、通勤災害によるコロナウィルスの感染した場合などは、一度労働基準監督署に確認をしたほうがいいかと思います。

労災保険での補償内容には、診察や治療などの療養補償だけでなく、業務災害・通勤災害により仕事を休み、賃金の支給がない等休業に対しても補償がありますので、労災保険の申請が必要なかたも今後出てくるかもしれません。

なお、労災保険の対象でなければ、休業中の賃金については、健康保険の傷病手当金の支給が考えられます。

日々電車に乗りたくないなと思いながらも電車通勤をしていますが、手洗いなどできることからコロナウィルスの感染を防いでいきたいものです。

自賠責保険と労災保険

2020年3月2日 社会保険労務士 原田聡

 労災保険では、業務上の事故だけでなく、通勤中の事故についても労災保険の補償の対象となります。

 通勤途中での交通事故の場合、労災保険と自賠責保険は、同じ事故に対して、2つを一緒に使うことができませんので、どちらを使うか自由に選択することになりますが、交通事故に対して労災保険と自賠責保険とでは、補償をカバーする範囲が違いますので、どちらを選べばいいのか判断が難しいところです。
 どちらが有利なのかはケースごとに異なります。

 交通事故により会社を休業した場合の休業補償を考えると、通常は自賠責保険のが有利です。先に自賠責保険から休業補償を受けたとしても、後から申請すれば、労災保険の休業特別支給金を受給できます。

 一方、自賠責保険は、労災保険と違って、こちらの過失割合が高い場合には支払額が減額されるので、労災保険を優先させた方がいいこともあります。
  ケースごとに異なります ので、ご自身で判断なさらず、専門家へぜひご相談いただければと思います。労災保険についてお悩み等ございましたらこちらまで。